【 山路和夫 作品集 5 】
柿傳ギャラリー個展 -2018- より
山路和夫展 ー初めての茶碗ー
剪紙繋型小紋茶碗など
あの剪紙文様で上品な鉢や陶筥を見せてくれる山路和夫さんが、今回は茶碗に挑戦するという。おそらく難行苦行の作陶であろうと想像する。
というのは、茶碗とは、そもそも無愛想なものだからだ。無口で、人を寄せ付けない、偏屈さが何処かになければならない。黒茶碗や無地の茶碗が多いのはそのためだ。
山路さんの作品は、洒脱な都会センスで人を惹きつけてきた。しかし、茶碗にとっては、愛想の良さはかえって邪魔になる。この「自家撞着」をどう克服するのだろうか。山路さんのことだ、きっとうまい解決法を編みだしているに相違ない。「これが私の茶碗です」と、爽やかに笑って見せてくれるのだろう。
竹内 順一(永青文庫 特別顧問)